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​4月13日

in 白鷺高齢者会館

​新型コロナウィルス感染症のこれから

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講師:薬局 渡辺理恵

新型コロナウイルス感染症の流行は今年で3年目となります。

5月8日から新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行します。それに伴って何がどう変わるのか、

私たちはどうしらよいのかを、お話させていただきました。

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1 なぜ5類感染症への変更をしたの?

オミクロン株は重症度が低く危険度が低いにも関わらず、

外出の自粛など自由を制限できる分類にしておくことは理にかなわないのが理由の一つです。

さらに大きな理由は、この感染症は長く続くと予想されるので、

経済活動を両立させ、公費負担を軽減して持続可能とするためです。

2 何が変わる?

5類移行により、無料検査、検査キットの無料配布、自宅療養者への配食などは終了となります。

無症状者に対するPCR検査の必要性については議論の分かれることろですが、

コロナは無症状者であっても感染性は有症状者と似た動向であることから、

高齢者施設などの従業者に対する集中検査は行政検査として当面継続することになりました。

医療機関の負担の平均化を進める目的で、コロナ患者専用病棟を廃止し全病院で対応できることを目指し、外来対応する医療機関も拡大するとされています。

コロナ患者受け入れのための設備整備を財政支援し、

コロナ対応医療機関への財政支援は縮小しながら継続します。

外来や入院で新たにコロナ患者に対応する病院が本当に増えていくのかは今後の大きな課題です。

新型コロナ感染症の抗ウイルス薬はインフルエンザ治療薬と比べて非常に高額であるため

治療薬については9月末までは引き続き公費負担で無料となります。

入院費は原則自己負担となるが、高額医療制度適用の上で、

9月末までは月に最大2万円を軽減する措置を設けるとのことです。

3 マスクについて

マスク着用は原則個人の判断に委ねることになりました。

(今回集まっていただいた皆さん全員がマスク着用しています。)

マスク着用の意義は自分を守るためより、自分の感染を拡げないためが主です。

高齢者などの重症化リスクが高い方々を守るために、医療機関の受診時、医療機関や高齢者施設の訪問時、通勤ラッシュ時のバスや電車が、マスクの着用が有効な場面として例示されています。

学校は原則としてマスクの着用を求めませんが、

事業者は業務上必要であれば、従業員にマスク着用を求めること認められています。

感染者や濃厚接触者の外出自粛要請はなくなりますが、自分の感染時に周囲に感染を広げないために、不安を感じたら検査を行うこと、療養期間の外出にはマスク着用を要請しています。

​ 4 今後について

入口の検温、消毒液の設置、パーテーションの設置は事業者の判断に任せられます。

5類になったからではなく、実際に効果がどれくらいあるのかを見直すべきだと思います。

感染防止対策として有効な、

換気、3密の回避、手洗い、ワクチン接種など

は引き続き励行されています。

 

ここでの講座において感染対策は何をすべきか、定員を何人にするのかなどは、

講座の内容(発声、飲食を伴うか)にもよります。

皆さんで検討してください。椅子の消毒をやめたというのは間違っていないと思います。

感染者は現在増加傾向にあります。

政府は、5類に位置づけたあとオミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなど、

科学的な前提が異なる状況になれば直ちに対応を見直す方針です。

ワクチン接種は、通常は年1回。高齢者、医療従事者などは年2回のスケジュールとなり、

今年度は公費での接種となります。

ワクチンの必要性には様々な説がありますが、

・過去2年間、コロナワクチン接種によって重症化はだいぶ予防できていた。

・新型コロナウイルスは変異を繰り返すため、抗体保有率がほぼ100%であっても集団免疫とはならず、感染が拡大した例がある。

・自然感染+ワクチン接種によって再感染のリスクが大きく低下する。

・ワクチン接種の効果は抗体価が下がっても維持されるものもあり、自然感染や追加接種によってさらに効果は持続的になる。

などの理由から今のところ年1回はワクチン接種が必要といえるでしょう。

免疫には自然免疫と獲得免疫があり、抗体だけで働いているのではないので

自然免疫を高める生活も重要です。

コロナ後遺症は複合的で、要因や症状は様々、コロナ感染前の状態が関与していることもあります。

メカニズムはまだはっきりわかっておらず対症療法で経過を見ていくことになります。

5 最後に・・・​

世間一般ではウイズコロナとなり、病院でも直接面会を再開しました。

しかし、5類に変更になってもコロナの性質が変わったわけではありません。

重症化しやすい高齢者に感染させないよう、

私たち職員は気を引き締めて感染予防対策を継続していきます。

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